1st border 洗濯が できる/できない のボーダー
九州の田舎町から「自分のすべき何か」を探しに上京してきた茅野悟(福士誠治)、19歳。
意気揚々と夢の第一歩を踏み出すべく既に決めてあった就職先のホテルへと向かった。
しかしそこは、ただの「ホテル」ではなく、「ラブ」ホテルであった。

愕然としながらも、 最初に与えられた仕事「洗濯」をするために近所のコインランドリーへ向かう。
そこは同世代の変わった連中が集まってくる場所であった。

ランドリーの経営者の娘でしっかり者の松山多恵(瀬戸早妃)、
貧乏演劇青年の熱い男・水野嘉浩(要潤)、
容姿端麗だが愛想無しのキャバクラ嬢・中島美晴(大山なつ)、
自分の部屋のようにコインランドリーでくつろぐ相田聡美(加藤美佳)、
実家がお金持ちのフリーター・山本慎太郎(加藤壮門)、
キャバクラのボーイ・長谷川祐二(小木戸利光)。

洗濯すらまともにできない悟を小馬鹿にしたりしている彼らも、
大なり小なりそれぞれの胸の内に葛藤や悩みを抱えて生きている。

東京という街に未来を探しにやってきた悟であったが、
洗濯すらまともにできず、周りの人たちに馬鹿にされ、失敗の連続。
強面の上司・田所(猪野学)には怒られてばかりで、 その大志とは裏腹にすべての事が上手くいかない。
自分の輝かしい未来を探せるどころか、 東京という街では生きていくこと自体がままならない。

自分の未来の前に立ちはだかるボーダーラインのような多摩川を前にして、
悟はその屈辱と不甲斐なさを吹っ切るように大声で叫ぶ。
そこにはまた、 違った意味で多摩川を前に泣き崩れている女・ヒタキ(秦礼子)の姿があった。
その横顔はあまりにも美しく、悟はその不思議な魅力に一瞬で心奪われる。

(脚本  田村 孝裕  監督  白川 士)